Masteries

技術的なことや仕事に関することを書いていきます.

YAPC::Tokyo 2019に, 「チームが前に進み続けるために僕たちが考えたこと」というトークでproposalを出しました

というわけで, タイトルの通り, YAPC::Tokyo 2019にproposalを出しました. 「proposal出した, というエントリ書いていいですか?」と中の人に聞いたところ「いいですよ!」と言われたので, YAPC::Tokyo 2019の宣伝も兼ねてエントリを書くことにしました.

yapcjapan.org

proposal: 「チームが前に進み続けるために僕たちが考えたこと」

"モノをつくる"という過程において, 常に順風満帆であり続けることはないでしょう. 何か調子が良くない, 何故かうまくいかない. チームとして前に進めていない... そう感じる時があるかもしれません.

まさに自分が, 所属しているチームでそういった雰囲気を感じ始めた時, チャレンジしたのが「スクラム」でした. エンジニアとスクラムマスターを兼業し, スクラムの導入によって, チームが前に進み続けられるよう, 試行錯誤を始めました.

このトークでは, 業務の中で直面した課題や壁に対して, スクラムを導入してどのように立ち向かっていったのか, そしてそれによって, チームがどう変わって, それに伴ってスクラムの様子がどう変わっていったのかを軸に, 今所属しているチームにおけるスクラムの様子を, ありのままにお伝えします.

具体的には, 以下のような話題が含まれる予定です:

- 感じていた停滞感 - スクラムを導入するまでのアクション - スクラムイベントのご紹介 〜はてなブログMediaチームの場合〜 - スクラム導入の成果 - スクラムでチームが変わって, チームがスクラムを変えていく - 「ゴールを目指す」スクラムと「前に進み続ける」スクラム - 自分たちの今後の展望と課題

兼業スクラムマスターが孤軍奮闘している一事例として, お聞き頂けると幸いです.

ここ半年ちょっとくらい, エンジニア兼スクラムマスターといったポジションを担わせてもらっていて, その経緯や体験, 気づきなどを5月と11月の吉祥寺.pmで発表させてもらったのですが, ありがたいことにどちらの発表でもたくさんの反響や感想を頂けたので, その総集編といった立ち位置の発表にしたいと思っています.

...ところで, 「YAPCなのにPerlの話題が1mmもないやん!?」という声が聞こえてきそうですが, 「Perlでプロダクト開発しているチームでスクラム導入した話」なのでこれも立派にPerlの話題だと思っています!!!!!! ...ということでよろしくお願いします.

なんとトーク応募期間が延長されているので, Perlに関するネタがある方はもちろん, そうでない方も, サクッとproposalを提出してみてはいかがでしょうか!

「Rejectcon 2018」ではてなブログのHTTPS化について話しました & GeekOutにインタビューしていただきました

先月末の話ではありますが, 「Rejectcon 2018」に登壇する機会を頂き, はてなブログのHTTPS化について話しました:

更に, HTTPS化のあれこれについてGeekOutにインタビューしていただきました. こういった媒体でのインタビュー体験は初めてだったのですが, 話しつつ, いろいろ振り返ることができて面白い体験でした.

geek-out.jp

「Rejectcon 2018」の資料とGeekOutのインタビュー, そして「builderscon tokyo 2018」で, id:aereal さんが発表された「ブログサービスのHTTPS化を支えたAWSで作るピタゴラスイッチ」の資料をあわせて見れば, はてなブログHTTPS化の裏側についてはほぼ語り尽くせているのではないか... と勝手に思っています.

Let's Encryptの登場などもあって, WebサービスのHTTPS化の流れはますます進んでいます. これから登場するWebサービスは, もはや「最初からHTTPSに対応していて当たり前」になっていくでしょう. その過渡期で, 「WebサービスをHTTPS化する」というアクションに携われたことはなかなか良い体験でしたし, インタビューでも語っていますがエンジニアとして学んだこと, 得たことも多かったです. その辺り, 今後にうまく活かしていきたいですね.

「mackerel-plugin-nature-remo」がmkr plugin installに対応しました

Mackerel UGとIDCFクラウド UGの合同イベントで, id:Songmu さんから「mackerel-plugin-nature-remo, 使いたいからplugin対応してよ」的なことを言われたので, 「やってみるか!」ということでやってみました. 成果物はこちら:

github.com

最初は「結構面倒そう?」と最初は思っていたのですが, 思っていた以上に簡単でした. というのも, サンプルリポジトリを使った丁寧な解説が用意されているので, それに沿って準備していけば準備については1時間もかかりません.

mackerel.io

今回は, ドキュメントを参考にして, このようなMakefileを作りました. ここまで用意すれば, あとはgitでタグを打って, make dist & make release でリリースが完了します. 見どころとしてはlinux/mipsleのバイナリも生成しているところで, 要するにEdgeRouter X用です.

...というわけで, これでmkr plugin install papix/mackerel-plugin-nature-remo というコマンド一発で, 「mackerel-plugin-nature-remo」のプラグインを簡単にインストール出来るようになりました. 次はmackerelio/plugin-registryに登録するところまでやってみたいと思っています(Pull Requestを送ってマージされるかどうかはわからない...).

「アジャイルな見積もりと計画づくり」読んだ

アジャイルな見積りと計画づくり ~価値あるソフトウェアを育てる概念と技法~

アジャイルな見積りと計画づくり ~価値あるソフトウェアを育てる概念と技法~

  • 作者: Mike Cohn,マイクコーン,安井力,角谷信太郎
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  • 発売日: 2009/01/29
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ここ半年くらい, スクラムマスターとして「アジャイルサムライ」や「カイゼンジャーニー」なども参考にして, チームにスクラムの導入を試みています. ある程度, チームの開発がうまく進んできていると思うのですが, とはいえ"見積もり"に関する部分について, もっとうまくやっていけるのでは? という気がしていました. そのときに, 確か id:daiksy さんに紹介頂いて読み始めたのが「アジャイルな見積もりと計画づくり」でした.

内容としては, 「アジャイルサムライ」や「カイゼンジャーニー」でも紹介されていた"見積もり"に関する内容を, 懇切丁寧に書かれている... という感じで, 特にユーザーストーリーに関する話題は, 今チームでも試行錯誤している部分だったので非常に参考になりました.

あとは, 「2週間 = 1スプリントを6回繰り返した後, 1週間を開発メンバーが自由なアクションをできる時間にするとバランスが良い」, といったやり方が紹介されていて, その辺りを参考にして会社の期末に1週間程度各々がやりたい事に取り組める時間を作る提案をしたところ, うまくOKが出て, コードの整備や実験的な機能の追加などに取り組めたので良かったです.

チームで開発していくにあたって, 「見積もりをして, 計画を作る」という所は結構根幹を担っていると思っていて, そういう意味ではチームが動き出す段階でしっかりした仕組み(フロー)ができていた方が良いし, それが定着してきた段階でガラッと変えるのは難しい(再び定着するまで時間がかかってしまう)ので, もしまた1からスクラムの仕組みを整える機会があったら, その時はこの本に目を通してからやり方を組み立てたいですね. そう考えた時に今のチームを見ると, 最初に組み立てたやり方が定着してきている状態なので, この本で得た知見を反映させるためにも, チームの変化(人事異動等)のタイミングなどを見計らいつつ, ちょっとずつ改良していくと良いのかなーと思ったりしています.

Perlで, あるクラスの親(継承元)を調べる

妙に詰まってしまったので備忘録的に書き記しておきます. さて, 次のような継承をしているPerlのクラスがあるとします:

My::Lib1 <- My::Lib2 <- My::Lib3

My::Lib3My::Lib2を, My::Lib2My::Lib1を継承している感じです. この時, 例えばMy::Lib3の親(継承元)はどこかを得るにはどうすればよいでしょうか?

解法1: ISAを見る

My::Lib3の継承元は, My::Lib3@ISAに入ります. なので, @ISAを無理やりに見るという手があります.

no strict 'refs';
my @isa = *{"My::Lib3::ISA"}{ARRAY};

@isaを見ると, このようになります(Data::Printerでダンプ):

[
    [0] [
        [0] "My::Lib2"
    ]
]

My::Lib3の継承元であるMy::Lib2が得られました.

解法2: mro::get_linear_isaを使う

id:akiym さんに教えてもらった方法ですが, mro::get_linear_isaを使う手もあります.

my @isa = mro::get_linear_isa("My::Lib3");

@isaを見ると, このようになります(Data::Printerでダンプ):

[
    [0] [
        [0] "My::Lib3",
        [1] "My::Lib2",
        [2] "My::Lib1"
    ]
]

こちらだと, My::Lib3の継承元であるMy::Lib2に加えて, その継承元であるMy::Lib1も得られるので, より便利ですね.